研究テーマ

〜巨大応答を示す固体物質の開発と実験的研究〜

遷移金属酸化物は、何かの刺激によって多くの伝導電子が一斉に動いたり、止まったり、ひしゃげた空間分布になったり、回転したりすることで、半導体にない新しい機能を示すことがあります。電子が一斉に性質を変えるために巨大な応答を実現することができます。具体的に起きる現象は対称性の変化と深く関係します。特に、遷移金属イオン中の電子の空間分布(価数・軌道配置の自由度)や電子のスピンの配列が、並進対称性、空間反転対称性、時間反転対称性などを決める重要な役割を果たします。そこで、本グループでは対称性に関する考察を取り入れた物質設計に取り組んでいます。物質設計と並行して、放射光X線や中性子を用いて電子状態や対称性の研究も行っています。

取り扱っている現象

巨大な電気磁気効果 レビュー論文(2011)は こちら

外部磁場を作用させると物質の電気分極が大きく変化する現象。あるいは、外部電場を作用させると物質の磁化が大きく変化する現象

磁気誘電効果

物質の誘電率が外部磁場を作用させると変化する現象

特殊な磁気光学効果 レビュー論文(2008)はこちら

表と裏で色が変わる現象

磁場による結晶学的キラリティの制御

磁場によって結晶学的キラリティの発現や反転を行う

軌道整列の磁場制御

軌道整列(遷移金属イオンの電子雲の球形からの変形の空間的な規則配列)の状態を外部磁場で変化させる。

軌道整列の電場制御

軌道整列の状態を外部電場で変化させる。

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