個人的な
ホームページへ

有馬研では主に磁性と他の物理現象との相関について研究しています。
ここでは、そのひとつである磁性+光の研究です。

研究成果

(1)    学術雑誌等

○M. Saito , T. Taniguchi , T. Arima
 Gigantic optical magnetoelectric effect in CuB2O4
Journal of physical society japan Vol,77 No,1

○M.Sasaki1 , A.Ohnishi2 , M.Saito3 , S.Nonoyama4 , T.Osada5 , E.Ohmichi6 , K.Suga7 , K.Kindo8 , Hara9
Magnetotransport and magnetic properties of β-FeSi2 single crystals
Jounal of Physics : Conferense SeriesIOP electric Journasl,No51, pp423-4262006

○K.suga7 , T.Osada5 , E.Ohmichi6 , M.Sasaki1 , A.Ohnishi2 , M.Saito3 , S.Nonoyama4 , S.Adachi10Anomalous behavior in M-T curve of β-FeSi2 single crystals
Jounal of Physics : Conferense SeriesIOP electric Journasl, No51, pp155-1582006

(3) 国際会議における発表
Mitsuru Saito, Kouji Taniguchi, Takahisa Arima
Gigantic nonreciprocal directional dichroism in CuB2O4
CERC International Symposium」、1P59Tokyo(May 2007)

Mitsuru Saito , Kouji Taniguchi , Taka-hisa Arima
Gigantic optical magneto-electric effect in CuB2O4
American physical society-March meeting(March 2008)

(4) 国内学会・シンポジウム等における発表

齋藤充 , 関政文 , 佐々木実 , 大西彰正 , 大道英二 , 長田俊人 , 菅健一 , 金道浩一
強磁場下におけるβ- FeSi2 単結晶の磁気輸送特性 
2005年日本物理学会秋季大会」、同志社大学、20059月 

佐々木実、齋藤充、菊池健正、大西彰正、野々山信二、菅健一、金道浩一
β-FeSi2単結晶における特異な磁化特性
2006年日本物理学会秋季大会」、千葉大学、20069

齋藤充 , 菊池健正 , 佐々木実 , 大西彰正 , 野々山信二 , 大道英二 , 長田俊人 , 菅健一 , 金道浩一
β- FeSi2 における異常Hall効果
2006年日本物理学会秋季大会」、千葉大学、20069

大谷晋太郎 , 渡邉洋介 , 齋藤充 , 佐賀山基 , 野田幸男 , 渡邉真史 , 有馬孝尚
スピネル型Fe1-xMnxCr2O4における構造相転移と軌道希釈効果
2007年日本物理学会春季分科会」、鹿児島大学20073

〇齋藤充 , 谷口耕治 , 有馬孝尚
CuB2O4における巨大な非相反方向二色性
2007年日本物理学会年次大会」、北海道大学20079

〇有馬孝尚 , 齋藤充
CuB2O4における非相反方向二色性の発現機構
2007年日本物理学会年次大会」、北海道大学20079

〇齋藤充 , 谷口耕治 , 有馬孝尚
CuB2O4における巨大な非相反方向二色性
「第45回茅コンファレンス」、長野市信州松代ロイヤルホテル 20078

〇齋藤充 , 谷口耕治 , 有馬孝尚
CuB2O4における巨大な非相反方向二色性
「東北大学多元研発表会」、仙台 200712

〇齋藤充 , 谷口耕治 , 石川健太 , 有馬孝尚
CuB2O4における巨大な非相反方向二色性
「秋光特定若手の会」、熱海 200712

〇齋藤充 , 谷口耕治 , 石川健太 , 有馬孝尚
CuB2O4における巨大な光学的電気磁気効果
「川村特定トピカルミーティング」、京都大学 20081

〇齋藤充 , 石川健太 , 谷口耕治 , 有馬孝尚
CuB2O4の磁場によるキラリティー制御と巨大磁気カイラル効果
2008年日本物理学会年次大会」、近畿大学20083

〇大谷晋太郎 , 佐賀山基 , 谷口耕治 , 齋藤充 , 阿部伸行 , 梅津浩志 , 有馬孝尚
スピネル型Fe1-xMnxCr2O4における磁気形状記憶効果
2008年日本物理学会年次大会」、近畿大学20083

〇齋藤充 , 谷口耕治 , 石川健太 , 有馬孝尚
CuB2O4における巨大な光学的電気磁気効果
「日本応用物理学会」、日本大学 20083

○研究の概要
1,特殊な磁性体では表と裏で色が異なります。
2,さらにその表裏を磁場によって反転することも可能です。

○  ME効果を示す物質に光を入射すると不思議なことが起こります。先ほど図で書いた物質に光を入射するのですが、このとき光を紙面の表から入れる場合と裏から入れる場合の2通りを考えます。
○ ここで注意したいのは光における電場と磁場の方向です。光の電場と磁場の外積は入射光方向に対して決まっています。つまり左右の図において、電場と磁場の外積の方向が反転しています。
有馬研の特色

○研究はそれぞれの人が別々のテーマを行っていますので、自分のテーマを持ちたいと考えている人にはよいところだと思います。テーマは別でも、研究や実験の話はよくみんなでします。

○ひとつの研究室としては、いろいろな分野の研究をしていると思います。(基本的には磁性ですが)そのため、実際、研究室に配属された後にでも、自分の行いたいことを決めることができます。

○実験は研究室の他に強磁場センター、KEK、Spring-8などで行ったりもします。

○研究室の行事として、テニスや研究室旅行(研究室行事参照)など他の研究室ではあまりみられないものもあります。

○  上に書いたことに注意して下の図をみると、それぞれについて光における電場、磁場の関係と物質における分極(電場)、磁場の関係が逆転しています。左の図では光のEとHの方向が物質のPとHの方向と同じですが、右の図ではそうなっていません。つまり表と裏は、光のEとHの方向と物質のPとHの方向の関係が同じか違うかということを意味しています。
○ 上の図は、ME効果を示す物質では、それの表と裏で光学的性質が異なることを示しています。ここで磁場の向きを反転させます(下の図)。すると上の図でみられた光におけるEとHの関係と、物質のPとHの関係が下の図では逆転しています。先ほど、光のEとHの方向が物質のPとHの方向と同じものを表、違うものを裏としました。従って、下の図では今までの表と裏が反転したことを意味します。
○以上の効果は電気磁気効果を光の領域に拡張したものと考えることができることから光学的電気磁気効果といいます。これまでにいくつかの物質で観測されてきましたが、どれもその効果は小さいものでした。しかし、私たちは、これまでと比較して約1000倍大きい方向二色性を示す物質を発見しました。

○ 光を表から入射した場合と裏から入射した場合について、その物質をCCDカメラで撮影したものを以下に示します。先に書いたように、物質の表裏は外部磁場の印加方向によって変化させます。2つの写真において、明るさが大きく違うことが分かります(物質の吸収率が変化)。方向二色性を視覚化したものはこれが初めてです。以上についてまとめると、物質へ印加する磁場方向の反転、別の言い方をすると、物質の表裏で見え方が写真のように変わるのです。
○  以上のように方向二色性はとても興味ある現象ですが、それを示すと報告されている物質は多くありませんし、この現象自体、未だ多くの謎を残していると言えます。そのため研究は、光学的電気磁気効果を示すと考えられる物質を作製するところから始まります。

○  試料を作製した後は、磁化などを測定し、光がある程度透過するような薄さにします。そして、実際に下に示したような装置を使って光学的電気磁気効果を測定します。

2,磁場印加方向を反転させると、
Aが暗くなりBが明るくなる

非反転対称磁性体における光学的電気磁気効果の研究

○ 物質に電場をかけると電気分極が生じ、磁場をかけると磁化が生じます。通常知られている電場→分極、磁場→磁化という関係を変えた、電場→磁化や磁場→分極という効果の存在が20世紀中頃から知られています。これを電気磁気(ME)効果といいます。下に模式図を書いています。詳しい事は谷口阿部さんのページにあります。

1,AとBでは光の透過量が異なる
(例えばAは明るく、Bは暗い)